ダライラマ訪米


2/18(木)にオバマ大統領がダライラマ14世と会談しました。

会談要旨

  • チベットの宗教や文化、言語の独自性の維持と人権擁護を強く支持する
  • ダライラマの中国からの自治拡大路線(中道路線)と中国政府との対話路線を称賛
  • 前向きで協力的な米中関係が重要であると一致
  • 会談は大統領執務室ではなく、私的面会用の「地図の間」で行われた(中国への配慮)
  • 「中華人民共和国のチベット族(Tibetans in the People’s Republic of China)」という表現が使われる(中国への配慮)

ダライラマ14世はオバマ大統領との会談後、ヒラリー国務長官とも会談を行いました。
本来この会談は2009年秋に予定されていましたが、中国に配慮して延期になっていました。
この会談の前に中国は警告を発表、会談後には激怒、報復措置を示唆し、
2月内に行われる予定の米中人権対話の開催と4月の胡錦濤訪米は不透明になりました。
またダライラマの特使がこの訪米の前に中国高官との対話を行っています。
アメリカと協力して、中国に配慮しつつ、対話路線を続ける姿勢に、以前からの変更はなさそうです。
(独立国家運動や武力闘争は否定する)

2/19(金)には全米民主主義基金(NED)の民主主義功労勲章授与式で演説しました。

  • 「中国共産党には共産思想がない。とても素晴らしいことだ」
  • 「中国の軍隊や国名は『人民解放軍』とか『人民共和国』とか、名前は美しい。実際には『人民』ではなく『役人』のものだ」
  • 「共産党指導部が社会主義ではなく、金を稼ぐ資本主義にしか関心がない」
  • 「わたしは今もマルクス主義者だと自認しており、わたしの脳みその方が中国の指導者より『赤い』と感じることもある」
  • 紛失していたルーズベルトから受け取った書簡の複製を贈呈された

2/22(月)にはダライラマがtwitterを開始しました。これは本人の書き込みではなく、公式サイトの内容をスタッフが投稿してるようです。
http://twitter.com/DalaiLama

2/24(水)には CNN の Larry King Live に出演しました。
Dalai Lama: China denies problem in Tibet
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/asiapcf/02/22/tibet.dalai.lama.lkl/index.html

twitter, CNNと米国のメディア戦略がうかがえます。

日本には6/18(金)に訪日して、善光寺を訪問、6/26(土)には横浜での講演会が予定されています。
ダライラマ14世は現在74歳と高齢ですが、精力的に世界を訪問しています。

ホワイトハウスの声明とNEDでの演説は以下で見れます。
His Holiness the XIV Dalai Lama at the White House
http://www.whitehouse.gov/blog/2010/02/18/his-holiness-xiv-dalai-lama-white-house
Dalai Lama Honored with NED Democracy Service Medal
http://www.ned.org/events/democracy-service-medal/dalai-lama-honored-with-ned-democracy-service-medal
ダライラマ訪米に対する中国の声明は以下で見れます。
Statement of Chinese Embassy in the U.S. on Dalai's visit
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/asiapcf/02/23/china.statement.dalai.lama/index.html
日本訪問の詳細な予定は、ダライラマ日本代表部事務所で後日発表されると思います。
http://www.tibethouse.jp/home.html

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