2011年1月に中国の胡錦濤国家主席が訪米しオバマ大統領と会談し
米中共同声明を発表しました。胡錦濤氏は盛大な国賓待遇で迎えられました。また訪米に伴い、ボーイング社が航空機200機(190億ドル)を受注するなど、総額450億ドル(3兆7000億円)の商談が成立しました。シカゴでも中国の24社が大豆を18億ドル(1500億円)買い付け、中国の経済力を見せつけました。
会談で目覚ましい成果はありませんでしたが、北朝鮮の砲撃と黄海での米軍軍事演習や、中国の民主活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞などで険悪になった米中関係は、ここで一息ついた格好です。
米中共同声明の要旨
- 建設的で協力的な米中関係の構築に取り組む
- 中国の市場経済化を進展させ、世界経済を回復させる。これは中国には内需拡大を、米国には支出削減と輸出拡大を意味する。
- 人民元問題: アメリカ「人民元は過小評価されている。主要通貨と交換できる国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)に人民元を加える取り組みを支持する」
- 中国国内でアメリカ企業にも機会を与えること。知的所有権の侵害に対して措置を講じる。
- 台湾: 中国「中国の主権と領土の問題である」 アメリカ「中国と台湾の対話と交流を支持する」
- 人権: アメリカ「人権は外交政策の重要な一部」 中国「内政干渉である」 今年5月までに米中人権対話を開催する
- 軍事交流を行う
- 核兵器やほかの大量破壊兵器の拡散防止、核安全保障の強化、過激派対策、海賊対策、国際犯罪や人身売買対策で協力する
- 感染症や飢餓の撲滅、災害対策で協力する
- サイバーセキュリティー対策で協力する
- 「核兵器なき世界」の実現に向け尽力し包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を支持。核安全センターを中国に設立するための了解覚書に署名。
- 北朝鮮のウラン濃縮計画に懸念。韓国と北朝鮮は対話を始めること。早期の6ヶ国協議再開。
- イランは国連安保理制裁を履行すること
- COP16カンクン合意を歓迎する。温暖化問題で協力する
- バイデン副大統領の年内訪中、習近平の訪米
会見の全文はホワイトハウスのサイトで見れます。
Press Conference with President Obama and President Hu of the People's Republic of China
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/01/19/press-conference-president-obama-and-president-hu-peoples-republic-china