オバマ大統領が2011/2/14(月)に予算教書を発表しました。
2012年度(2011年10月─2012年9月)も、過去最高規模の
財政赤字となり、ひきつづき財政再建に力を入れる予算となっています。
先の中間選挙で議会勢力が激変したので、今後の難航が予想されます。
予算
- 2012年度の予算は3兆7300億ドル(305兆円)
- 財政赤字は1兆6500億ドル(138兆円) GDP比10.9%
政策
- 今後10年間で財政赤字を1兆1000億ドル削減する。
- 2013年の政権1期目の終わりには財政赤字を半減する。
- このうち2/3は歳出削減でまかなう。(イラク戦争終結、富裕層ブッシュ減税中止分は含まず)。1/3は歳入増でまかなう。
- 国防以外の裁量的歳出を5年間凍結する。(10年で4000億ドル削減)
- 200超の連邦プログラム(大型空港や州政府への補助金など)を廃止、縮小し330億ドルを削減する
- 国防費を今後5年で780億ドル削減する。イラク撤収完了とアフガン撤収開始。今年度は6710億ドルで2001年度以来の減少で6.6%減。対テロ戦費は415億ドル削減で1178億ドルに。イラク関連は110億ドルに(76%減)。海兵隊の沖縄からグアムへの移転費は1億5600万ドルで63%削減。
- サイバー攻撃や衛星、核安全対策に23億ドル投資。
- 政府の諸経費を20億ドル削減
- 利用率の低い連邦ビル14000棟を処分
- 大企業への税制優遇措置を縮小する。海外収益への課税猶予を縮小などで、今後10年間で1290億ドルを確保。
- 石油、ガス、石炭会社への減税措置を打ち切り。10年間で460億ドルを確保。電気自動車、クリーンエネルギーへの投資を行う。ビルのエネルギー消費を20%削減する。
- 研究・開発(R&D)費用として1480億ドルを割り当て、このうち320億ドルは生物医学分野に配分する。省エネ関連の研究予算は2倍に拡充。
- 高速インターネットのカバー率98%を目指し、無線通信網に投資。157億ドル。
- 「ナショナル・インフラストラクチャー・バンク」を設置し、25年以内に高速鉄道のカバー率80%を目指す。530億ドル。
- 科学、技術、工学、数学の教員養成に投資。今後5年で1万人増加。
予算教書はホワイトハウスのサイトで見れます。
The President's Budget for Fiscal Year 2012
http://www.whitehouse.gov/omb/budget
Budget Overview
http://www.whitehouse.gov/omb/overview
The 2012 Budget
http://www.whitehouse.gov/blog/2011/02/14/2012-budget
Remarks by the President on Unveiling of the Budget in Baltimore, Maryland
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/02/14/remarks-president-unveiling-budget-baltimore-maryland
日本の外務省によるまとめ
外務省: 2012年度米国予算教書(概要)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/eco_tusho/us_2012.html